2007年 03月 07日
今回もネオバと048などSタイヤ(以下S)などの私見について、続きをと思います。相変わらずで申し訳ありませんが、これは私の経験とそれに基づく考察ですので、これ自体が正しいとか他の考え方が間違っていると言うつもりはありません。これを読まれる方それぞれに意見等はある事と思いますので建設的なコメントは質問も含めて歓迎致しますが、あからさまに嫌がらせと思えるコメントと判断した場合は速やかに削除させていただきますのでご了承願います。 さて、前回まででコーナリングを目一杯がんばってしまうと立ち上がりでもブロックのヨレは戻らず、その状態でアクセルを踏んでもトラクションが横に抜けてしまい結果、縦方向のグリップが落ちる事。ゆえにコーナーリング中もしくは立ち上がりまではスピードが乗っている様に感じても、その後に続くストレートエンドに到達したときには思ったほどトップスピードが伸びてない場合が多い事。また早い周回からタイヤが熱ダレを起こしてしまう事に付いて、私の経験談を交えてをお話ししました。そうすると後はどうやってコーナーの立ち上がりでブロックまでも縦Gを受け止めやすい形に持っていくか、となる訳です。 そこで前回の1)エアー圧はメーカー推奨値(中央値〜上限値)となる訳です。ケーシング剛性を高める事で土台からのヨレを少なくし、タイヤとブロックの向きのズレを少なくしようと言うのが目的です。 では2)は?と言うとちょっとそれは後回しにして3)コーナリングの後半はなるべくグリップは横へ使わない。から先に。 コーナのRに対して正円に近い形でライン取りをする事によってなるべくタイヤの横Gの増減を一定に保つ事はコーナリングの基本である事には変わりないのですが、この際にコーナーのRに対して目一杯大きなラインでコーナーを回ってしまうと、立ち当たりいっぱいいっぱいまで横Gが残るコーナリングをしてしまうとブロックのヨレが残ったままになってしまうので、コーナリングをすこし早めに終わらせる様にして私の場合は対処しています。俗にいう「コンパクトに回る」と言うやつでしょうか。ここで誤解無い様に付け加えておくと、決してコーナー前半〜クリッピングで極端に車の向きを変えて直線的に立ち上がる事を言っている訳ではありません、念のため。既にある程度のスポース走行を経験の諸兄は百も承知、かつ経験済みの事とは思いますが、そんな事をすると過度の横Gを短時間で一気に掛けてしまう訳でそれ自体タイムロスになってしまいますので。じゃ、どう言う事?となる訳ですがクリッピングでコンパクトに回ると言えば良いのでしょうか?クリッピングゾーンをなぞる様にしてしっかりと向きを変えてなるべく直線的に立ち上がる感じ、なのですがその為には一つはクリッピングゾーンを通過している際のスピードを犠牲にする必要が出てきます。そしてそこから出口に向かってなるべく直線的にもしくは緩やかなRで立ち上がります。このラインだと車の向きは立ち上がりでは完全には変わりきっている訳ではないのですが、私自身の感覚としては、立ち上がり後半でリアが流れすぎない感じ、リアが流れて車の向きが調整されゼロカウンターで立ち上がるというよりはその一歩手前、ちょいとアンダー?と感じる角度でフロントタイヤの抵抗を感じつつ、それを取り除く為に右に左にグリグリっとステア調整をしながらアクセルを開けていく感じが得られるのを目安にしています。この感覚は回り込んだコーナーほどこの感じは強めに、逆に浅いコーナーはこの感じが少なめにと言う工夫もトータルでタイムアップするには必要なのですが、全体的にはこの感じを目安に走っています。ただし、このラインと言うか感覚も私のなりの表現である事と、私のドライビングスタイルでこのタイヤを走ってみるとこうだったと言うだけなので、皆さんも色々とトライしてみてくださいのだと思います。 もう一つの法則2)に付いてですが、このようにクリッピングゾーンで小さく回し込む為、エアー圧を高く設定している事も考慮してサスペンションは悩んだら一度柔らかめに振ってみると上手く行く事もその後の経験から得た私なりの法則です。ただしタイヤの接着圧を下げない為にもバネもダンパーもバンプ側を下げるのではなく、対側(フロントを柔らかい方向へ持っていくのであればリア)のリバンド側を下げたり、侵入時のノーズの調整はスタビを柔らかくしてみて、それでも駄目ならバンプ側を下げる様な工夫をしていますが、ベースセッティング(車高やストローク)、そして車種によって変わってくると思います。 これらの事を私なりに考えてみると、最近の(?と言ってよいのでしょうか)タイヤのコンパウンドそのものが良くなって来た関係からタイヤの表面がヨレればヨレる程に転がり抵抗になってしまうので、状況に応じてタイヤを必要な方向に多く転がす事が要求されるのかなと。変な方向で力を加えてしまうとそれ自体が大きなブレーキになってしまうのでしょうね。近年のフォーミュラニッポンやGTなどが直線的に侵入し、クリップでくるっと向きを変えて、そしてまた直線的に立ち上がっていくのは何も風力の関係だけでなく、タイヤの特性と言うか傾向を物語っている様に思います。逆を言えばそれに近いだけのキャパシティーを最近のSなりスポーツラジアルは持っていると思います。昔らか「侵入で思ったより減速しコーナリングもそんなに早そうには見えない」えっ、という様な早いタイムを出す人に共通する私の印象です。逆に自分は走る立場の場合「突っ込みすぎている訳でもないのに、どうしてもこれ以上タイムが縮まらない」と感じる事もしばしばありました。決して悪くはないのにどうしても追いつかない人が居る。その謎がここにあったのかな?と最近は感じています。 と話をまとめてしまう前に別の角度からもう少し。タイヤの話になると「048はタイムが出しやすい」と言う言葉を耳にする事が時折あります。前回書いた様にケーシング剛性が高い048はエアー圧を下げてコーナリング時にタイヤ表面にプ容易にプレッシャーが掛かりやすい様にしてあげるとクリップでは踏ん張り、立ち上がりで多少ヨレて居る状態であってもアクセルを踏んでやることでそのヨレは緩やかにもとの方向へと戻り、そしてその間も車は前へと進んでくれるのでコーナリングスピードが上がりなおかつコントロール性も良くなった感じるのだと言う事も前回書いたと思います。コーナーで稼いだ分もさることながら、実はドライバーが「乗れてる」と感じる要素も相まってタイムアップしていくのではと推測しています。すくなくとも私の場合はそうでした(笑)。もう一つ、048とネオバに共通してみられる現象の一つとしてタイヤの中央ばかりが減ってしまうという点です。立ち上がり、つまりタイヤは路面に対してほぼ垂直に接している状態で表面にねじりの力が残ってタイヤは縦に転がっているのに中央だけがが捩れている。そうすれば中央だけ摩擦抵抗が増えてしまい中央がより多くすり減ってしまう。中央だけが減るのでタイヤのエアーが高くて中央が膨らんでいる、もしくはサイドのたわみが少ないからとおもってエアー圧を下げても状況は一向に変化しないといった経験は無いでしょうか?すでにタイヤの中央はグリップの限界を超えている訳で、これ以上何をやってもグリップが上がる訳ではないのでタイムは縮まないと言うのが原因ではと私は解釈しています。そしてもう一つの要因がこのメーカーのタイヤの傾向かなと感じています。逆にBSのタイヤは全体的に大きなRのライン取りをした方が良い様な印象があり、なのでここで私が議論している事も、本当のところはタイヤ剛性の問題だけでなくコンパウンドや接着面やその他、全体的な構造などの要素が関係しているのだと思います。 だた、一つ弁解と言う訳ではありませんがエアーを下げてコーナリングスピードを稼ぐセッティング/走り方が悪いと言う風には思っていません。逆に私の方法が正解と言っているつもりがない事ももう一度ここで書き加えさせていただきます。その理由として、よく車に関しても弄る前にノーマルで走り込むべきとか、それに似た意味合いの意見を良く耳にします。本当にそうでしょうか?取りあえず弄ってみたりそれこそ突っ込み過ぎやコーナー前半で向きを変えて立ち上がる走り方とか色々とやってみるのはむしろ良い事だと思います。少なくとも何かにトライする事でこれまでよりも高いスピード域やコーナリングスピードを経験し、そして壁に当たり、これまでやって来た事とは別の方向をトライする。回り道であるようで実は順当な道順の様な気がします。最も無理をしすぎて本当に壁に当たってしまいクラッシュしてしまうとなると話は別ですが・・・。(上手い?)ともあれ、私自身も048でエアーを下げてタイヤに頼った走りをしたおかげでより早いコーナリングスピードで回る事を経験し、結果として限界スピード域の底上げと車のコントロールを学ぶ事ができました。スピンコントロールもしかりです。それが無ければ今の状態にはたどり着いていないでしょう。ま今とて大した状態では無いのですが。いずれにしろ思った様にやってみて結局ノーマルに行き着く人も入ればもっと弄る方向に行く人も居て良いんじゃないでしょうかね。 と言う訳で前回、先日の111cupでクラス間のタイム差が少なくなった理由の一つとしてネオバに変わったからと言うよりは以前使っていた048からネオバに変わった事が原因ではと書きましたが、これは別に048が悪いと言っている訳ではなく、客観的に見てタイヤの特性の変化をつかんでいるか否かがタイムに大きく作用したのではと思ったからです。048で慣れ親しんだドライビングしスタイルから変更出来ているかが多少なりとも作用した様に感じてなりません。筑波は富士や茂木ほどストレートが長くないぶんエンジン性能で圧倒的な差が出ない、かといってコーナリング重視かというと決してそうでもなく、立ち上がりが重要視される中途半端な長さのストレートやダンロップ〜80R。筑波を早く走るにはやはりタイヤの特性つかみそしてそれを上手く利用して筑波独特のカントを生かしたライン(いわゆる筑波ライン)を走る事、この二つのポイントが鍵を握っている様に思います。逆を言えば上位2名が飛び抜けたタイム差(2位と15秒以上)で優勝した背景にはこの2つのポイント、もしくはそれ以外にも何かあるのかもしれませんが、いずれにしろ何かしろのコツを掴んでいるのではと思った次第です。なんて偉そうな事言ってますが私も未だに良くわかないところが多いんですけどね。 さて、長々と読んでいただいて、「なにを今更当たり前の事をうだうだ言ってんだ」とあきれる諸兄も多々いらっしゃる事でしょう。私の場合、やっとその事に気づいたと言うレベルなのです。頭で分かっていても感覚としてつかみ、そして実際にタイムアップにつながるのに昨年まるまる一年掛かってしまったくらい私の場合は進歩が遅いドライバーなのでその辺は笑って許してください。そして同じ様な事で悩んでいる等身大の方々には少しでも参考になれば幸いです。 さて今シーズンの予定ですが、最終戦あたりにはネオバを履いて111cupに復活出来ればと思っています。きっと以前の私よりは良い走りが出来る様な気がしているのですが・・・気のせいだったらどうしよう。やっぱり一から出直しでしょうか(ToT)
by okawa57
| 2007-03-07 08:46
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